悪性胸膜中皮腫の診断と治療
悪性胸膜中皮腫自験例の治療成績
川真田 修
1
,
近藤 喜太
,
村田 年弘
,
上塚 大一
,
宇田 征史
,
中井 肇
,
太田 保
1尾道市立市民病院 外科
キーワード:
石綿肺
,
Cisplatin
,
胸膜腫瘍
,
腫瘍多剤併用療法
,
職業性曝露
,
中皮腫
,
肺切除
,
アジュバント化学療法
,
治療成績
,
ネオアジュバント療法
,
Gemcitabine
,
放射線化学療法
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Asbestosis
,
Cisplatin
,
Mesothelioma
,
Pleural Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Treatment Outcome
,
Occupational Exposure
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Neoadjuvant Therapy
,
Chemoradiotherapy
,
Gemcitabine
pp.31-34
発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007110126
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2000年1月~2006年6月に胸腔鏡下胸膜生検で確定診断された15例(男14例、女1例、年齢38~81(平均62.8)歳)を対象に予後を検討した。組織型は上皮型8例、二相型3例、肉腫2例、線維形成(DMM)2例であり、臨床病期分類はstage Ibが3例、IIが7例、IIIが5例であった。初回治療は12例に化学療法を、2例に胸膜肺摘除術(EPP)を施行し、1例は併存疾患の悪化で緩和医療となった。治療法別の予後検討では化学療法単独の9例中6例が原病死、3例が確定診断後2、10、41ヵ月現在生存中で、EPP施行4例中1例は再発により死亡、3例は術後1、6、25ヵ月無再発生存中で、14例中1年生存率66.7%、2年生存率44.4%であった。組織型別では上皮型の8例中、化学療法のみの5例中2例は現在療養中、残り3例は2年以上生存し、2例は31、34ヵ月で原病死し1例は41ヵ月担癌生存中であり、EPPを施行した2例中1例は8ヵ月後に死亡し、1例は化学療法を施行し6ヵ月現在、無再発生存中である。二相型の3例は2例に化学療法のみ施行し14、23ヵ月で原病死し、1例は化学療法後にEPPを施行し術後1ヵ月無再発生存中で、肉腫型の2例は化学療法のみと化学療法後手術するも2例とも死亡した。上皮型とそれ以外の予後比較では確定診断から中間生存期間は30.6ヵ月と13.3ヵ月となり上皮型が予後良好であった。
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