発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009296146
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53歳女。胸痛を自覚し、近医にて右胸水を指摘され胸水穿刺を行うも診断に至らず、当院紹介となった。胸水穿刺で胸水中ヒアルロン酸の高値、X線で右胸水貯留と胸膜プラーク、CTで右胸水および胸膜肥厚と腫瘤形成を認めた。胸膜生検で悪性胸膜中皮腫(二相型)と診断し胸膜外右全摘術を行った。第6肋骨を切除し肋骨床より胸膜外剥離して心膜、横隔膜を合併切除し、Gore-Texシートで再建した。病理所見より上皮型と肉腫型が混合する二相型中皮腫で心膜浸潤、縦隔リンパ節転移を認め、悪性胸膜中皮腫、pT3N2M0、病理病期III期と確定診断した。摘出肺よりアスベスト小体を計測し乾燥肺重量1gあたり443571本であり職業的アスベスト曝露と推定し、申請により石綿法での救済が認定された。術後6週より右胸部に放射線を照射後に化学療法(cisplatineとpemetrexed)を行ったが術後10ヵ月右肺に再発巣を生じ、術後13ヵ月に原病死した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009