発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007094867
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50歳男性。患者は呼吸困難を主訴に近医を受診、胸部X線にて気胸を指摘され、著者らの施設へ紹介入院となった。入院時、胸部X線は右肺がほぼ完全に虚脱しており、胸腔ドレナージが挿入された。また、CTでは右に気胸がみられ、右肺尖には大小不同の嚢胞が多発していた。約2週間にわたり空気漏れが止まらず量も多かったことから、気胸発生後18日目に開胸手術を施行した。その結果、嚢胞内の小結節が発見され、結節を含めた嚢胞切除を行い、術中迅速細胞診にて低分化腺癌と診断された。術後の病理所見では気腫性肺嚢胞に伴う大細胞癌と確定診断されたが、切除断端から距離があり、動脈血液ガス分析で呼吸機能低下を認めた。そのため追加切除は行なわず、手術は終了した。術後8年経過現在、再発はみられていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2006