発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009052482
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
53歳男。胸部異常陰影、発熱を主訴とした。WBCは著明に上昇し、CRPも上昇していた。CTで右肺尖に巨大なブラを認めた。右上葉腹側には13cm大の腫瘍を認め、前胸壁への浸潤も疑われた。抗生物質を投与したが発熱が続き、炎症反応の改善は得られなかった。CTガイド下針生検で非小細胞癌と診断した。血清G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)、血清IL-6(インターローキン6)は高値を示した。以上により、G-CSF産生肺癌と診断し、発熱は腫瘍の内部に感染を伴ったもの、あるいはIL-6に起因すると考えた。手術を施行したところ腫瘍はブラ以外の上葉全体を占めており、胸壁合併右上葉切除術を施行した。術後、いったんはWBC、CRPは低下したが短期間で上昇し、転移・再発を繰返した。化学療法も一時奏功したが、その後効果が得られなくなり、術後1年で死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008