発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004140231
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52歳男.運動時の息切れを主訴とした.1年前に右気胸を発症して胸腔ドレナージを受け,経過観察されていたが,胸部X線像にて左下肺野の嚢胞が増大を認め,加療目的で入院した.家系内に本人を含めた7人が自然気胸を発症しており,2人は手術を,別の2人は保存的治療を受けた家族性気胸例であった.入院時,動脈血液ガス分析にて軽度の低酸素血症を呈し,胸部X線,胸部CTにて左下肺野後方の巨大な嚢胞と両肺に多発する嚢胞を認め,左下肺野嚢胞の増大は進行性であった.巨大肺嚢胞切除を施行し,術後CTにて残存肺の拡張は不良であったが,7年後に結腸癌肝転移で亡くなるまで気胸の再発はなく,死亡前のCTでは左肺の拡張は良好であった.家族性気胸例には自然気胸発症後に反対側の巨大気腫性肺嚢胞を発症した報告例はなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2004