発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007050571
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55歳男。健康診断で胸部異常陰影を指摘され当院へ受診し、画像上嚢胞壁に発生した肺癌を疑い、精査加療目的入院となった。X線像では左中肺野に3cm大の嚢胞性病変を認め、CT画像からも悪性を疑う所見であった。気管支鏡下肺生検より肺腺癌と診断し、遠隔転移は認めず、cT2N0T0、IB期と診断し左上葉切除+リンパ節郭清を行った。最終病理診断でpT2N0M0、IB期と診断し、fluorouracilの内服加療中である。本症例は胸部X線の経時的変化から癌によるチェックバルブ機構により嚢胞が形成されたものであり、既存の肺嚢胞から発生した肺癌ではないと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2006