発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005223332
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61歳女.患者は特発性血小板減少性紫斑病(ITP)で通院中であった.右肺野に約1.5mmの比較的淡い不整形陰影がみられた.CTでは右上葉内に境界不明瞭で内部不均一な結節影を認めた.PLTは7.7×10 4/μlであった.気管支鏡下生検で腺癌と診断し,免疫グロブリン12.5g/日を5日間投与したところ,PLTは10.6×10 4/μlと上昇した.右上葉切除,リンパ節郭清を施行し,無輸血のまま順調に回復した.3ヵ月後,PLTが3.3×10 4/μlまで減少し,プレドニゾロン 25mg/日の経口投与を開始した.その後,上腹部不快感が増悪し,上部消化管内視鏡検査を施行した結果,Helicobacter pilori菌を認めた.尿素呼気試験は58.6%と高値であった.除菌治療を行い,1ヵ月後にはPLTが13.2×10 4/μlとなった.以後,減少はしたが,8×10 4/μl前後で安定したため,現在はステロイド内服もなく経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005