発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006269260
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56歳女.51歳時に右乳癌手術を受け,経過観察となっていた.3年前の胸部CTで,右肺に2ヶ所(S9,S6)の結節影を指摘された.このたびのCTで,S9病変は境界明瞭でスリガラス状陰影(GGO)を伴い,増大(径5mm→径19mm)していた.S6の結節影は約5mm大,境界明瞭,円形で,以前のCTと比べ,大きさに変化はみられなかった.遠隔転移を疑わせる所見は認められなかった.S9は原発性肺癌,S6は乳癌の肺転移疑いで,手術を行った.S9の病変は,迅速病理診断で腺癌と診断され,径14mm大であった.病理組織像では肺胞上皮置換性に増殖する腫瘍細胞を認め,細気管支肺胞上皮癌と診断した.S6の結節は径3mm大で,病理組織像には円形から多角の細胞が充実性に増殖している像がみられ,充実性パターンを呈する硬化性血管腫と診断した
©Nankodo Co., Ltd., 2006