発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006157055
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2001~2005年に,超高齢者狭小大動脈弁輪例7症例(74~87歳)にapicoaortic conduit(AAC)を施行したので,術方法と初期成績を報告し,現時点での問題点を検討した.2例はショック状態にあり,3例は術前から人工呼吸などが必要な重症例であった.術後1例が腸閉塞のため病院死したが,遠隔死亡はなかった.周術期合併症は種々発生し,術前から高度の心機能低下状態にあった1例が術中の心停止のため,術後低酸素脳症による高度意識障害を生じた.術前から挿管を要した3例は,術後人工呼吸施行期間が延長した.血行動態は全例でAVRと同様の十分な左室-大動脈間圧較差の低下を認めた.術後遠隔期のBNP値は十分な改善を認めず,左室心筋重量係数の改善も症例によってばらつきがみられた.末期的な症例が多く,心筋の線維化等による不可逆的な変化を生じている症例が多かったことが一因と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2006