発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006128227
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5歳男児.仮死なく出生したが生後数時間でチアノーゼが認められたことを契機に純型肺動脈閉鎖と診断された.リポPGE1持続静注にて肺血流を確保し状態が安定したところで生後2ヵ月時に右modified Blalock-Taussigシャントを施行し,2歳時に左modified Blalock-Taussigシャントを施行した.5歳時の心カテーテル検査の結果からFontan循環移行の可能性を検討するため紹介受診した.カテーテル検査所見から肺動脈の狭窄が解除されればFontan循環への移行は可能であると考えられ,最小径1.2mmの狭窄に対してPowerFlex 4mm×2mm及び6mm×2cmを用いてバルーン拡大術を施行したところ,最小径は3mmとなった.更に左の最小径1.1mmの肺動脈に対してもバルーン拡大術を行い,最小径は3.5mmとなった.1ヵ月後に血流が良好であることを造影検査にて確認し,両方向性Glenn手術及び右下葉枝・左肺動脈の形成術を施行した.この際の血管抵抗の測定結果からFontan循環への移行は可能であると判断され,更に9ヵ月後にFontan手術を及び右下肺動脈の形成術を施行したところ,術後経過は良好であった
©Nankodo Co., Ltd., 2006