発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009154664
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62歳男。腹部不快感、冷汗が出現し、ショック状態を呈し、救急搬送された。血圧88/58mmHg、脈拍120/分、顔面蒼白、腹部はやや緊満し圧痛を認め、WBC18900/μlと増加し、貧血は認めず、CRPは正常であった。単純CTで胃壁背側にやや高濃度の腫瘤を認め、胃を腹側に圧排していた。造影CT早期相で胃小彎側に沿った左胃動脈領域血管に造影剤漏出を認めた。胃動脈瘤破裂による出血性ショックと診断し、緊急血管造影、経カテーテル動脈塞栓術(TAE)を施行した。胃小彎側、左胃動脈末梢に動脈瘤を認め、その部位から造影剤の血管外漏出を認めた。マイクロカテーテルを左胃動脈まで選択的にすすめ動脈瘤の遠位側から近位側まで順にコイルで塞栓してTAEを終了した。30日目に右鼠径ヘルニア根治術を施行し腹腔鏡で観察した。経過は良好で41日目に退院した。
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