発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006051525
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47歳男.統合失調症にて加療中であった.飲酒後転倒した直後から胸部不快感が持続したため受傷4日後に来院し,胸部X線・CTにて肺内伏針を認め入院となった.胸部CT所見で右中葉の前後方向に針の埋没が確認され,肺内伏針およびアルコール性肝硬変と診断された.肝機能が改善しPLTが回復した入院8日目に胸腔鏡下手術を施行して右中葉内に存在した針を摘出,針は錆びた脆い縫針であった.閉胸前に針の遺残確認のためX線透視を施行したところ下葉に遺残が確認され,下葉部分切除により遺残した針を摘出した.術後経過は良好で術後10日目に軽快退院となり,術後1ヵ月のCTでも特に異常は認めなかった.今回の経験から肺内伏針の摘出後は閉胸前に胸部X線透視で針の遺残を確認する必要があると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005