発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006051526
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60歳男.1ヵ月ほど前から咳・全身倦怠感が出現し近医を受診,感冒の診断にて投薬加療された.その後,呼吸困難が出現し,早朝に突然ベットから転落して意識レベル低下状態で救急搬送され,右緊張性気胸,胸水貯留とショック状態で緊急入院となった.入院後,胸腔ドレナージにより白色の膿汁排出と多量の気瘻を認め,その後CO2ナルコーシスに陥り人工呼吸管理となった.胸部CT所見では両側下葉の浸潤影,両側胸水貯留と右下葉の虚脱または膿瘍および右気胸が認められ,胸水培養にてPrevotella loescheiiが検出された.以上の所見から,気胸の修復と膿胸に対する掻爬洗浄ドレナージ目的で手術施行となった.術中所見では肺腫瘍は中葉と下葉にかけて存在し,一部が破裂して膿気胸状態になっており,中・下葉切除を施行し気管支断端に肋間筋を被覆した.切除標本の病理組織学的所見では膿瘍形成に加え,器質化肺炎像や瘢痕化した部分を認めた.術後12日に胸腔ドレーンを抜去し,以後再発徴候は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2005