臨床経験
縫い針による肺内刺入
久間 直哉
1
,
常光 信正
,
安増 哲生
,
山崎 隆
,
内田 隆寿
1青洲会病院 外科
キーワード:
異物移動
,
胸部X線診断
,
刺創
,
針
,
偶発的発見
,
肺損傷
,
胸部CT
Keyword:
Foreign-Body Migration
,
Needles
,
Radiography, Thoracic
,
Wounds, Stab
,
Incidental Findings
,
Lung Injury
pp.453-456
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016303752
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82歳女性。上肢のしびれ、ふらつき感を主訴に、脳梗塞の診断で入院加療となった。その際、入院時の胸部X線で左上肺野に縫い針と思われる異物を認め、胸部CTでも縫い針の左上肺野内への迷入が確認された。だが、肺内異物の症状は認めず、脳梗塞症状も後遺症なく軽快したため、いったん退院とした。その後、異物摘除目的に再入院し、肺内の縫い針を摘出した。摘出した縫い針の長さは47mmで、錆びていた。本症例では縫い針が床にあることに気づかず寝転がり、背部に刺さり、それが肺まで移動した可能性が考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016