発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006051512
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
73歳女.2年半前に縦隔腫瘤を指摘され経過観察中であった.1ヵ月ほど前から全身倦怠感が出現し高度の貧血を認め濃厚赤血球(MAP)血6単位の輸血後に紹介入院となった.入院後の精査により純赤芽球癆と重症筋無力症と診断され,胸部CT・MRI所見にて前縦隔に7×5cm大の境界明瞭な胸腺腫が認められ摘出術施行となった.拡大胸腺腺腫摘出術が施行され,摘出標本の病理組織学的所見では上皮細胞優位型の胸腺腫で上皮細胞は紡錘細胞型でリンパ球混在を認め正岡分類I期・WHO分類type ABと診断された.術後9日にHb;7.5g/dl,WBC;2300/μlと低下したためMAP血2単位の輸血とG-CSF100μgの皮下投与を施行し,術後26日に退院となった.その後,7ヵ月間1~2週に1回MAP血2~4単位の輸血を必要としたため,術後1年7ヵ月からシクロスポリン250mg/日投与を開始したところ約1ヵ月後には輸血が不要となり現在,シクロスポリン125mg/日に減量して経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005