発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006153685
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40歳男.35歳時に重症筋無力症Osserman分類IIa型と診断され,ambenonium chlorideの投与を受けていた.胸部X線で左第1弓から第2弓にかかる腫瘤陰影を指摘され,胸部CTで前上縦隔の腫瘍が判明した.胸腺腫と診断し拡大胸腺摘出術を行い,腫瘍が浸潤していたため,心嚢の一部,左腕頭静脈,左上葉の一部,左横隔神経を合併切除した.正岡の病期分類III期と診断し,術後ADOC療法および放射線療法を行って退院した.その後重症筋無力症は寛解したが,術後7年4ヵ月後に胸腺腫の胸腔内播種を認めた.外科的治療による根治は困難と判断し,化学療法および放射線療法を行い播種巣は縮小した.その2年後に顔面と下腿の浮腫が出現し,胸部X線で両側胸水を認めた.血液検査所見および腎生検で微小変化型ネフローゼ症候群と診断し,predonisolone投与で軽快した.しかし,その後も増悪・寛解を2回繰り返し,53歳の現在においても外来治療中である
©Nankodo Co., Ltd., 2006