発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006036375
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
53歳男性.患者は感冒症状,背部痛を主訴に呼吸器科を受診,CTにより右下葉肺癌を疑われ入院となった.気管支鏡下擦過細胞診で扁平上皮癌と診断され,CTでは左房浸潤,上縦隔リンパ節(#3,4)腫大が認められた.臨床病期cT4N2M0 (IIIB期)で手術適応なしとされたが,6ヵ月間の化学療法でCRとなり,手術のため著者らの呼吸器外科へ転科となった.X線では化学療法前の右下葉の8cm大腫瘤影はほぼ消失しており,CTでは化学療法前に認めた一部左房内に浸潤した腫瘤とリンパ節(#3,4,11)腫大の大部分が消失し,左房壁に僅かに残存するのみであった.そこで,右肺摘除・左房合併切除術,気管分岐部・上縦隔リンパ節郭清を行ったところ,病理所見では化学療法の効果はEf.3で,左房内腫瘍に残存の癌細胞は低分化扁平上皮癌と診断された.2ヵ月後,在宅酸素療法として退院となり,術後3年6ヵ月経過現在,再発は認められていない
©Nankodo Co., Ltd., 2005