発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006036374
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Pancoast肺癌の治療成績を検討した.対象は,過去11年間に手術を行ったPancoast肺癌13例(男性12例,女性1例・平均59.8歳)で,組織型は腺癌8例,扁平上皮癌5例,臨床病期はIIB期8例,IIIA期3例,IIIB期2例であった.13例中9例で術前療法(化学放射線療法8例,放射線単独1例)を行った.術式は肺摘除1例,上葉切除12例であった.完全切除は12例で,完全切除率は92.3%であった.切除標本ではEf.1 2例,Ef.2 6例,Ef.3 1例,病理病期はIB 1例,IIB 8例,IIIA 2例,IIIB 1例であり,1例で完全緩解を得た.手術成績は再発4例,遠隔転移3例(膵,対側肺,脳各1例),局所再発1例(非完全切除例)であった.原病死3例,担癌生存1例,無再発生存中9例であった.3年生存率は全体で78.6%,完全切除12例で85.7%,術前療法施行9例で87.5%,未施行4例で66.7%であった.以上,術前化学放射線療法はPancoast肺癌に対して有用な治療法であると考えられた
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