発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006034952
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58歳女性.患者は息切れ感の増悪で受診となった.拡張期血圧低下と拡張期雑音を聴取し,心エコーで重度大動脈弁閉鎖不全(AR)およびrelative大動脈弁狭窄(AS),弁中央からの逆流を認め,X線ではSJM人工弁二葉中の僧帽弁に近い一葉が開放位で固定されていた.緊急入院とし待機手術を行った.術中所見では,パンヌスは左室側から大動脈側に増生し,後方の弁葉と弁輪の間を通過し,弁の閉鎖が妨げられていた.パンヌス,人工弁,弁輪周囲組織を切除し,人工弁サイザーでsupra annular positionにATS 18mm AP弁の人工弁置換を試みたが,左冠状動脈孔に近接し閉塞の危険があるため,Hemashieldパッチを用いたMicks法による弁輪拡大を行った.その結果,術後,弁透視で二つの弁葉とも可動性は良好であった
©Nankodo Co., Ltd., 2005