発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006034946
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43歳男性.患者は41歳時に全身性エリテマトーデス(lupus腎炎)と診断されたが放置していた.今回,発熱,胸痛,関節痛が生じ近医を受診,全身性エリテマトーデスの増悪と診断され,入院の上,プレドニゾロンによる治療が開始された.しかし,入院8日目に前胸部,背部の激痛でCT上,上行大動脈解離を認め著者らの施設へ転院となった.CTでは大動脈基部から両総腸骨動脈までのStanford A型,De Bakey分類I型の大動脈解離,弓部3分枝に血栓閉塞型解離,下行大動脈に複層解離を認め,心エコーでは上行大動脈解離と重度の大動脈弁閉鎖不全,Valsaval洞左冠尖近傍に解離を認めた.大動脈基部置換術,Piehler法による冠状動脈再建術を施行したところ,術後34日目に著明な貧血を認め,濃厚赤血球(MAP)を輸血したが,溶血性貧血を呈し,SLE起因の溶血を疑い洗浄赤血球血の輸血とプレドニゾロン投与を行なった.以後,貧血は改善し,術後85日目に退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2005