発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006004195
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64歳男.18歳時の虫垂切除後,癒着性腸閉塞のため3度のイレウス解除術と空腸-横行結腸バイパス術を施行され,63歳時には短腸症候群による低栄養状態のため在宅中心静脈カテーテルによる高カロリー輸液管理が導入された.今回40℃台の高熱が出現,空腸-横行結腸バイパス術後の癒着解除目的で入院となり,入院後にβ-グルカン高値と血液培養にてCandida lusitaniaeが検出された.数日後突然,右下肢痛が出現し,下肢動脈造影にて右浅大腿動脈の完全閉塞を認め,Fogartyカテーテルを用いた緊急塞栓除去術を施行し真菌塊が塞栓子であった.心エコー所見から真菌性心内膜炎と診断,術中所見では大動脈弁は右冠尖-左冠尖間で癒合し,弁尖から左室中心に小カリフラワー状の疣贅が付着していた弁を切除,fluconazole浸漬のウシ心嚢膜弁で置換した.第22病日に空腸-横行結腸側々吻合部切除・空腸-空腸吻合・横行結腸-横行結腸吻合・右鼠径ヘルニア根治術を施行し,術後は経口摂食が可能となり第40病日に退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2005