発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006004194
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
41歳女.39歳時に心筋梗塞を発症し,2~3ヵ月おきに冠状動脈の再狭窄を生じ,その都度経皮的冠状動脈形成術を施行されており,同時期より大動脈炎症症候群のためprednisolone(PSL)5mg/日投与を行っていた.今回,CABG目的で入院となり,心エコー所見ではII度の大動脈弁閉鎖不全と前壁から心尖部にかけて壁運動の低下を認めた.冠状動脈造影(CAG)では右冠状動脈#1の入口部から閉塞しており,左冠状動脈は#6のステント内に90%の再狭窄と#9に99%の狭窄を認め,大動脈造影では強い大動脈硬化病変が示唆された.手術では右内胸動脈を#9へ,左内胸動脈を#8へ,右胃大網動脈を#4後下行枝に吻合し,手術時間は6時間38分であった.ICU帰室後7時間で人工呼吸器より離脱し,術後5日より冷感・全身倦怠感が著明となったがPSLの増量と甲状腺ホルモン投与で対応し,術後2週より全身状態の改善を認め,術後21日に退院となった.術後3ヵ月のCAGではバイパスグラフトは全て良好に開存していた
©Nankodo Co., Ltd., 2005