発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010199005
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1985年1月~2007年12月に心膜・左房合併切除を伴う肺切除を施行した非小細胞肺癌例を、心膜合併切除7例(全例男、年齢65~74歳)をT3群、左房合併切除4例(全例男、年齢40~60歳)をT4群として検討した。全例扁平上皮癌で、リンパ節転移ではT3群はN0が4例、N1が2例、N2が1例で、T4群はN0が1例、N1が1例、N2が2例であり、病期ではT3群はstage IIBが4例、IIIAが3例で、T4群は全例がIIIBであった。術式ではT3群は肺全摘術4例、上葉切除・舌区切除、気管支形成を伴う肺葉切除、2葉切除が各1例で、T4群は全例が肺全摘であった。術前化学療法はT4が3例で、術後化学療法はT3群が5例、T4群が3例であった。予後ではT3群は死亡6例で1例は術後合併であり、T4群は全例死亡を認めた。3、5、10年生存率ではT3群は57.1%、57.1%、28.6%、T4群はそれぞれ25%で2群間に有意差はなかった。生存期間中央値はT3群67.5ヵ月、T4群13.5ヵ月で、生存中央値はN0/N1群67.5ヵ月、N2群11.8ヵ月で中央値には有意差を認めた。
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