発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005223329
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63歳男.患者は胸部異常陰影を主訴とした.画像所見では両側の肺野濃度上昇部の拡大,小嚢状影の多発,肺嚢胞を伴う肺気腫を認めた.腹部エコーでは脾腫を伴う慢性肝炎と脾臓腫瘍を認め,希望により手術を施行し,消極的部分切除を行った.経過順調であったが,第8病日に意識状態に異常を認め,第9病日に四肢麻痺となり,夜半に突然呼吸停止,心停止を起こした.蘇生術後,ICUに搬送し,ステロイドパルス療法を試みた.知覚異常を伴わなかったため,癌性神経障害としてGuillain-Barre症候群を考えた.抗核抗体,抗DNA抗体は陰性で,抗体ガングリオシド抗体は陽性であった.気管切開し,連日の血漿交換を行なったところ,症状は徐々に改善したものの,術後2ヵ月で再発となり,最終的には癌病死した
©Nankodo Co., Ltd., 2005