発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005190861
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71歳男.原発性肺癌(低分化腺癌)の手術加療目的で紹介入院となった.入院後の精査にて右上顎に急激に増大する表面不整な潰瘍を認め,生検により未分化癌(多形細胞癌)と診断された.その後,38度台の発熱を連日認め,胸部CTで右下葉全体に肺炎像を認めた.腫瘍による閉塞性肺炎は抗生物質治療に抵抗性であり,上顎腫瘍は肺からの転移が考えられた.右中・下葉切除および壁側胸膜合併切除を行い,病理組織的に多形細胞癌と診断した.術後3日目に左下肺野に誤嚥性肺炎を疑わせる網状影を認め,抗生物質投与,ステロイドパルス療法を行ったが効果なく,術後約3週間で死亡した.病理解剖では胃,回腸に潰瘍を伴った腫瘍を認め,いずれも転移巣と診断された
©Nankodo Co., Ltd., 2005