発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005190862
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
60歳男.自宅での転倒後,左前胸部痛が出現・持続し,翌日には発熱も出現した.画像所見で心膜膿気腫および膿胸と診断し,緊急ドレナージのため開胸し,心嚢内および胸腔内にドレーンを留置して閉胸した.術後,心嚢内に留置したドレーンから胃管内容物と同様の分泌液が流出し,心嚢留置ドレーンから造影剤を注入したところ,胃が造影された.胃内視鏡検査では胃底部に大きな潰瘍があり,潰瘍底には直径1cmほどの瘻孔と,その奥には心筋と思われる構造物が見えた.胃底部の腫瘍が横隔膜と心膜を貫通して胃心膜瘻を形成したために生じた心膜膿気腫と診断し,生検結果は良性潰瘍であった.心嚢ドレナージを行いながら抗潰瘍薬を投与し,現在も健在である
©Nankodo Co., Ltd., 2005