発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005175823
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51歳女性.患者は9年前に右乳癌(乳頭腺管癌)で胸筋温存乳房切除術を受け,2年間の化学療法とホルモン療法による補助療法を受けたが,胸壁に再発し局所切除術,化学療法を受けていた.そして今回,胸部膨隆の出現と,前胸部痛で入院となった.所見では,前胸部の胸骨体部に一致して8×5.5cmの膨隆と,右乳房切除術創周囲皮下に最大4×2.5cmの腫瘤3個を触知した.CTでは胸骨体部に溶骨性腫瘤を認め,骨シンチでは胸骨に高度の集積増加を認めた.胸壁転移を伴った孤立性胸骨転移と診断し手術を施行したところ,病理所見では胸壁皮下と胸骨内に9年前の乳房切除標本と類似の腺癌を認め,乳癌からの転移と診断した.化学療法後に退院したが,その後,脳転移,肝転移で照射や化学療法を施行,術後4年4ヵ月(乳房切除後13年6ヵ月)に死亡した.尚,剖検では直接死因は多臓器に膿瘍形成を伴う敗血症と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005