発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005175819
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65歳女性.患者は感冒様症状で近医を受診し,心エコーで圧較差大動脈弁狭窄症と診断され紹介入院となった.所見では,第2肋間胸骨左縁が最強点のLevine IV/VI度の駆出性収縮期雑音を聴取し,心エコーでは大動脈弁は二尖弁で,左室-大動脈圧較差150mmHg,大動脈弁口面積0.5cm2と高度の狭窄を認めた.一方,抗体スクリーニングでは間接Coombs試験陽性で,抗Jra抗体が検出され,遺伝子組み換えエリスロポエチンを併用して自己血600ml貯血で手術に備えた.ATS弁による大動脈弁置換術および大動脈内バルーンパンピング(IABP)を挿入したところ,術中出血量は2500mlと多量で,自己血と解凍濃厚赤血球(MAP)を輸血したが足りずHb 5.8g/dlまで低下し,日赤センターへ依頼するも血液準備に1週間を要した.しかし,輸血後は順調に経過し軽快退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2005