発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005175818
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19歳男性.患者は乾性咳,労作事呼吸困難を主訴に近医を受診し,X線・CT上より前縦隔に腫瘍性病変を認め紹介入院となった.所見では,LDHと腫瘍マーマーNSEの上昇を認め,X線では縦隔,右中・下肺野に広範な透過性低下を,CTでは縦隔~右肺にモザイク状の巨大な腫瘤を認めた.また,穿刺吸引細胞診および経皮肺生検を行い浸潤性胸腺腫と診断された.術前化学療法としてADOC療法6コースを施行したところ,腫瘍の著明な縮小(縮小率91.4%の部分寛解)を認め,続いて拡大胸腺摘除術を施行した.その結果,病理所見では腫瘍細胞は多型性に富み,明瞭な核小体を有する大型核細胞が主体で,少数の細胞がサイトケラチン陽性,CD30陽性であり,サイトケラチン20,CD1a,CD4,8,138陰性であった.最終的な診断は胸腺癌,亜分類で未分化癌あるいは大細胞癌であった.以後,縦隔に放射線照射を行い,術後6ヵ月経過現在,再発は認められていない
©Nankodo Co., Ltd., 2005