発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005166479
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32歳女.右胸背部痛を主訴とした.胸部CT所見で右横隔膜上背側に径約5cmの,内部がわずかに造影される腫瘤を認めた.さらに下肺静脈へ流入する血管の存在が疑われたため,肺分画症と診断した.また下葉に過剰な葉間線を認めた.胸腔鏡下手術所見より,右下葉はS10相当区域が独立するように異常分葉し,S6と肺底区域の間にも裂溝を認めた.腫瘤は下葉背側の異常分葉肺と横隔膜に挟まれる位置に存在し,血管用自動縫合器を用いて切離し摘出した.病理組織像にて,拡張した気管支もしくは気管支腺上皮で覆われた嚢胞上構造を,また軟骨組織をもつ気管支に隣接して異常動脈を認めた.術後は良好で,第5病日に退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2005