発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014130615
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35歳男。健康診断で胸部異常陰影を指摘され、近医の胸部CTで右胸壁に腫瘤を認めた。検診から5ヵ月後に紹介受診し、CT、MRIより右胸壁発生の神経原性腫瘍を疑った。CTガイド下生検で確定診断にいたらず、診断を兼ねた手術目的で入院となった。胸部CT所見では、右胸腔背側の第7肋間に沿って、76×28mmの境界明瞭で平滑な腫瘤を認めた。腫瘤は三つの膨隆部を形成し、数珠状にくびれていた。胸部MRI所見では、右第7肋間の腫瘤はT2強調画像で辺縁が著明な高信号を示した。三つの膨隆部のうち一つの中心部には低信号を示す結節構造を含み、いわゆるターゲットサインを呈し、ガドリニウム造影T1強調画像で増強された。胸腔鏡下胸壁腫瘍切除術を行った。第7肋間神経由来の神経原性腫瘍と診断した。腫瘍組織形態と合わせて第7肋間神経由来の神経鞘腫と診断した。悪性像は認めなかった。経過は順調で、術後5日目に退院した。
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