症例
術前に腹腔内囊腫と診断された腹壁原発嚢胞状リンパ管奇形の1例
平山 裕
1
,
鶴久 士保利
,
中原 啓智
,
飯沼 泰史
1新潟市民病院 小児外科
キーワード:
腹腔鏡法
,
腹部腫瘍
,
リンパ管腫-嚢胞性
,
腹壁
,
腹部CT
Keyword:
Abdominal Neoplasms
,
Lymphangioma, Cystic
,
Laparoscopy
,
Abdominal Wall
pp.1016-1021
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2021032584
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5歳女児。発熱、腹痛にて近医を受診し、左下腹部の腫瘤を指摘された。紹介受診時の腹部CT検査では左腹部の膀胱頭側に微小な石灰化を伴う嚢胞性腫瘤(径88×36mm大)を認め、腹部の圧迫感と鈍痛の訴えが強いことから嚢胞病変の急性腹症を疑い緊急手術を行った。腹腔鏡下の観察でも体表面からの安全な嚢胞穿刺が可能であり、嚢胞病変は腹壁原発であったが、単房性で十分な縮小効果が期待できると判断されたため、腹腔鏡操作を続行して嚢胞を全摘出し得た。病理検査所見より先天性素因の嚢胞状リンパ管奇形と診断され、術後1年半経過現在、再発所見や術後症状は認めていない。
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