発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005130148
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67歳男.労作時息切れを主訴とした.脳梗塞,脳出血のため右半身麻痺があり,多発性腎嚢胞による腎不全にて血液透析導入されていた.今回,労作時息切れと透析時の血圧低下を認めるようになり,心カテーテル検査で左主幹部,左前下行枝,回旋枝に狭窄および閉塞を認め,心エコーでは軽度の僧帽弁閉鎖不全と大動脈弁閉鎖不全を認めた.頭頸部MRAおよび脳血流シンチでは右内頸動脈狭窄と左内頸動脈閉塞,左椎骨動脈の閉塞を認め,腹部CTでは多発性肝嚢胞を認めた.臓器血流維持目的に大動脈内バルーンパンピングを併用し,左室形成術は大動脈遮断下に行い,冠状動脈バイパス術は逆行性冠灌流心拍動下に施行した.術後も心機能は良好に維持され,合併症もなく,経過は良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2005