発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005130139
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70歳男.Stanford B型急性大動脈解離で保存的治療を施行された際,腹部大動脈瘤を指摘された.その後腹痛が出現し,最大瘤径6cmの腹部大動脈瘤に対しY型グラフト置換術が施行されたが,胸腹部大動脈瘤が拡大した.画像所見にて,大動脈は近位下行大動脈からY型グラフト置換上部の腎下部腹部大動脈まで拡張し,最大径6.5cmであった.解離腔の血栓化によると思われる壁在血栓様所見を呈し,狭小化した真腔から腹部4動脈が分岐していた.MD CTでL2から出ているAdamkiewicz動脈を認めた.上行大動脈送血・超低体温循環停止法を用いて手術を行い,止血に難渋し,術後は喀痰が多く,せん妄が出現したが,合併症なく現在通常の生活を送っている.術後3-D CTで腹部4動脈は明瞭に造影され,肋間動脈に接続したグラフト側枝も良好に造影された
©Nankodo Co., Ltd., 2005