発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005120231
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特発性肺線維症(IPF)を合併した肺癌23例を対象に,術前肺機能による術後合併症発症予測の可能性を,術式別に検討した.部分切除7例,肺葉切除15例,全摘除1例を行った.8例(34.8%-肺葉切除:4例,部分切除:4例)に重篤な合併症を認め,IPFの急性増悪4例,肺気腫,気管支断端瘻,肺炎,長期低酸素血症が各1例であった.合併症を発生した肺葉切除術例,部分切除例とも開胸手術や肺葉切除の限界を満たしていたが,非発生群に比べ,術前肺機能は低かった.IPF急性増悪の予防として,11症例の周術期にクラリスロマイシン,ステロイド,ウリスタチン,シベレスタットナトリウム水和物などを投与したが,4例(17%)で急性増悪を認めた.術前肺機能低下例は術後合併症が多く,手術適応には注意が必要と考えられた.また,薬物による急性増悪の予防は困難と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005