気管・気管支形成手術の現況
気管支形成と肺動脈形成 2000年以降の肺癌に対する気管支形成を伴う肺切除術の現況
松村 輔二
1
,
岡田 克典
,
星川 康
,
遠藤 千顕
,
佐渡 哲
,
桜田 晃
,
野田 雅史
,
菅原 崇史
,
松田 安史
,
近藤 丘
1太田綜合病院附属太田西ノ内病院 呼吸器外科
キーワード:
腺癌
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
扁平上皮癌
,
生存分析
,
腺扁平上皮癌
,
治療成績
,
気管気管支形成術
,
吻合部狭窄
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Survival Analysis
,
Treatment Outcome
,
Carcinoma, Adenosquamous
pp.963-967
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009016927
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2000年10月~2007年10月までに著者らが経験した肺癌に対する気管支管状切除37例について検討した。その結果、1)内訳は肺葉切除28例、複合肺葉切除6例、全肺摘除4例、区域切除2例で、肺動脈同時形成11例は全体の29.7%を占めていた。2)術後合併症は7例(18.9%)に発生し、気管支吻合部合併症は6例(16.2%)、それ以外の合併症は4例(10.8%)、両者の重複は3例(8.1%)であった。3)手術30日以内の死亡はなく、院内死亡は1例(2.7%)であった。4)原発性肺癌36例の予後は、1年生存率94.3%、2~4年生存率82.3%、5年生存率55.2%と良好であった。組織型では、扁平上皮癌22例の予後は1年生存率90.4%、3~4年生存率78.2%であったが、5年を超えた生存例はなかった。一方、腺癌7例では最長5年2ヵ月まで全例が生存中である。5)気管支単独形成例と気管支・肺動脈形成例に分けてみると、気管支単独形成例の1年生存率は92.2%、2~4年生存率86.7%、5年生存率57.8%であった。一方、気管支・肺動脈形成例については現段階で5年生存率は算出できないが、1年生存率は100%、2~3年生存率72.9%と中期予後は良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008