発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005120232
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特発性間質性肺炎(IIP)を合併した原発性肺癌手術例25例(3.3%)を臨床的に検討した.平均年齢は68.7歳で,24例に喫煙歴があり,喫煙指数は平均1253であった.肺葉切除を15例,部分切除を10例に行った.IIPの急性増悪を10例(40%)に認め,3例が死亡したが,非増悪群との背景因子に有意差は認めなかった.術前にエリスロマイシン(EM)の予防投与を10例に行ったところ,IIP増悪群は3例,非増悪群は7例であり,両群の間に有意差を認めた.ステロイドの予防投与は5例に行い,いずれもEMやクラリスロマイシンとの併用で,IIP増悪群1例,非増悪群4例であり,両群の間に有意差を認めた.増悪群においては,ステロイドパルス療法が有効な症例の予後は比較的良好であった.術前に予後を予測することは困難であるが,EM,メチルプレドニゾロンの予防投与がIIP急性増悪予防に効果的と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005