発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005051671
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
71歳女.めまいを主訴に近医を受診したが血圧低下,両下腿の著しい浮腫から心疾患が疑われた.心エコーにて右室内の腫瘤が発見され,当院に救急搬送されたが搬入時にはショック状態で全身浮腫,腹水貯留を呈し,心エコー所見では右室内を占拠した83×78mmの腫瘤によって左室は圧排され,左室流出路も狭窄していた.重症右心不全と診断して緊急手術を行ったところ,腫瘍は右室流入出路を閉塞して一部は三尖弁も巻き込んでおり,右室心筋,肉柱にも浸潤していたため可及的に切除し,流入出路の確保と三尖弁輪形成を行った.腫瘍の病理組織所見と免疫組織化学所見より右室原発の悪性線維性組織球腫(MFH)と診断され,術後,右心不全は軽快したが発熱を機に呼吸不全をきたし,急性循環不全にて死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2004