発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005017163
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33歳男.2000年,健診で胸部X線像上腫瘤影を指摘されが,翌年,増大傾向は認められなかった.2002年,患者が確定診断を希望し,入院した.胸部CTで,右肺中・下葉間にほぼ円形で比較的辺縁明瞭な腫瘤影を認めた.腫瘤は肺動脈に接し,内部構造は均一で造影効果を認めた.画像所見上,炎症性リンパ節腫大を疑ったが,悪性疾患も否定できず,胸腔鏡補助下に切除術を施行した.上・中・下葉間の交点となる部分に径3cm大の腫瘍と表在の血管怒張を認めた.摘出腫瘤の迅速病理診断はリンパ組織で,特異的な所見は認めなかった.術後経過は良好で,術後3日で退院し,10ヵ月を経過する現在,再発は認めていない.病理組織学的所見で,リンパ濾胞の腫大を認め,濾胞間には血管と形質細胞の増生を認めた.濾胞内や濾胞間の血管壁に強い硝子化を認め,硝子血管型Castleman病と診断した
©Nankodo Co., Ltd., 2004