発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009114897
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49歳男。20年前に左縦隔腫瘍手術の既往があった。肺機能検査で1秒率の低下、胸部X線で左肺尖部縦隔側に異常陰影を認め、胸部造影CTでは左上後縦隔に3cm大の造影効果を有する腫瘤を認め、左上後縦隔腫瘍を疑った。また、MRIで腫瘤は筋一な造影効果を示し、神経原性腫瘍を疑った。手術は胸腔鏡手術で開始したが、結局、小開胸下の腫瘍摘出となった。開胸へのコンバート理由は癒着剥離に伴う肺損傷の修復であった。病理診断は硝子血管型のCastleman病であり、前回手術時の組織所見と同一であった。術後経過は良好で、第9病日に退院となった。20年前の手術記事を詳細に検討したところ、リンパ節郭清はされていなかったが、腫瘍本体近位で一部取り切ることができなかった石灰化様部分があった旨の表現があった。病理組織所見が同一であったことから、初回手術時の不完全摘出に関連した再発例と考えた。ただし、リンパ節郭清不施行も再発に寄与したかどうかは不明と考えた。
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