発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016087092
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症例は61歳女性で、検診のX線で左胸部異常陰影を指摘され、CTで後縦隔腫瘍が疑われて経過観察中に、経時的に腫瘍径の増大を認め紹介受診した。X線で傍椎体に腫瘍性病変を、造影CTでTh11と左側胸壁の境界域に20mm大の境界明瞭で造影効果のある腫瘤を認め、MRI拡散強調で高信号を呈し、PET-CTでSUVmax13.4の集積を認めた。単発病変のため診断治療目的に胸腔鏡下手術を行った。癒着した腫瘍周囲の胸膜を剥離し、腫瘍に流入している肋間動脈を結紮・切離した。次いで腫瘍との連続が疑われる肋間神経を切離し、被膜ごと腫瘍を摘出した。術中所見では肋間神経由来の神経鞘腫と判断した。病理所見では、髄質領域に硝子化物を混じた形質細胞と血管の増生を認め、皮質には特徴的な血管の胚中心への侵入を伴う濾胞を認めてCastleman病と診断した。術後経過は良好で5日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015