発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006004199
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41歳男.検診の胸部X線像にて縦隔異常陰影を指摘され紹介来院した.胸部X線像では下行大動脈陰影と重なる境界明瞭,辺縁整の半円状腫瘤影を認め,胸部造影CTでは腫瘤は径30×45mm大で下行大動脈背側に位置し,内部は造影効果を示したが一部に壊死や液体貯留を疑う嚢胞状部分を認めた.3-DCT上では腫瘤周囲の下行大動脈からの血管が増生し腫瘤内に流入しており,以上の所見から,神経原性腫瘍を疑い手術施行となった.術中所見では腫瘤は第5~7肋間筋と強固に癒着し,肋間神経や交感神経幹からの分枝と連続しているように思われ,肋間神経もしくは交感神経由来の神経原性腫瘍と判断し腫瘤に連続する索状物を順次結紮切断した.腫瘤は易出血性で下行大動脈より流入の血管3本を結紮切断して摘除した.摘除標本の病理組織学的所見から本症例はCastleman病(hyaline vascular type)と診断された.術後第4病日に退院となり,2年を経過した現在,再発の徴候は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2005