発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005017157
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3歳10ヵ月女児.心雑音,心拡大を主訴とした.生後4ヵ月時,近医で川崎病に対し内科的治療を受けた.経過は良好で,心エコー上冠状動脈病変は認めなかった.退院後の外来で心雑音を指摘され,心エコーで中等度の僧帽弁閉鎖不全症(MR)を認めた.生後半年後の心カテーテル検査では,冠状動脈造影は正常であった.川崎病罹患後の冠状動脈病変を伴わないMRと診断し,3年6ヵ月間外来で経過観察した後,僧帽弁形成術を施行した.術後,MRはごく軽度で,僧帽弁狭窄症の所見は認めなかった.経過良好で,術後第19病日に退院した.本例の僧帽弁の病理は不明であるが,川崎病罹患後急性期から心雑音が出現しており,MRの原因は川崎病による乳頭筋の延長であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004