発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005017155
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53歳女.下肢浮腫を主訴とした.近医で数年前から僧帽弁閉鎖不全症(MR)を指摘されていた.心エコーで容量負荷等の増悪傾向を認め,手術目的で入院した.心エコーで僧帽弁後尖PM2に腱索断裂,弁尖逸脱がみられ,III度の僧帽弁逆流が認められた.僧帽弁形成術を施行した.心拍動を再開し,体外循環からの離脱時に,術中経食道エコーで収縮期前方運動による左室流出路狭窄および僧帽弁逆流が認めた.残存する後尖中央部がP1・P2に比べて高さがやや高く,前尖を押す形になっていることが原因と思われ,sliding techniqueを加える余地があると考えられた.再度大動脈を遮断し,後尖縫合部を中心に弁輪に沿って弁腹を一部切除して弁輪に再縫合し,後弁の高さを減じることで,比較的容易に僧帽弁逆流は制御できた.術後経過には特に問題はなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2004