発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004289042
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1980~2003年に鎖骨下動脈起始異常(ASA)を4例(51~73歳,全例男)経験した.3例が右側大動脈弓,1例は左側大動脈弓であった.症例1~3は右側大動脈弓例であり,胸部X線像では右第1弓が突出し,縦隔陰影拡大がみられた.大動脈造影及びCTで左鎖骨下動脈は下行大動脈から起始し,起始部が動脈瘤状に拡張していた.症例4は左側大動脈弓例であり,胸部X線像で左上縦隔に異常陰影と左第1弓突出がみられた.CTでは遠位弓部から拡張した鎖骨下動脈が食道を後方から圧排しつつ右側へ通過していた.ASAによる気管圧迫・狭窄はみられなかった.手術は症例4のみに施行した.選択的脳灌流法,超低体温・循環停止で両側鎖骨下動脈再建を伴う弓部置換術を施行し,術後3年で経過良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2004