発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004211517
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55歳男.腰痛と腹痛を訴え,腹部CTにより左肺下葉S^9の腫瘤影を指摘された.胸部高分解能CTでは,左下葉S9に大きさ1.5×1.0cmの100%すりガラス状陰影を認めた.全身検索の結果,その他異常所見を認めなかったため,術前CTガイド下マーキング後,胸腔鏡下手術を予定した.CTガイド下マーキングを手術当日午前,成毛式ポイントマーカーを用いてCT透視下で行った.マーカー針穿刺直後より,激しい咳嗽と中等量の喀血の後,右不全麻痺と構音障害が発生した.直後のCTで左室内の空気貯留を確認した.ただちに頭低位とし各科専門医を呼んだ.臨床症状は約40分後,左室内空気貯留は約2時間30分後に消失した.その後,頭部MRIにて梗塞巣の検索を行ったが異常は認めなかった.手術は日を改めて胸腔鏡下で行った.切除標本の病理組織診断では,異型腺腫様過形成であった.術後経過は順調で,その後の頭部MRIでも異常を認めず,外来にて経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2004