発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004234809
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癌性心嚢炎5例に対する胸腔鏡下心膜開窓術の手術方法,および手術成績について報告した.第7あるいは第8肋間中腋窩線よりやや後方にカメラ用ポートを作成し,ワーキングポートの位置を決定した.ワーキングポートは第6肋間前腋窩線,および後腋窩線上に作成した.ワーキングポートから把持鉗子と挟み鉗子を挿入し,心嚢内の貯留液を吸引した.全例で良好な結果が得られた.5例中2例は癌性胸膜炎を合併しており,同時に胸水の吸引も行った.術後の胸腔ドレーン抜去は平均1.8日であった.5ヵ月間のフォローアップ期間中に,全例,心嚢液再貯留はなかった.心嚢液の除去によりその後のQOL改善が期待される癌性心嚢炎の患者において,胸腔鏡下心膜開窓術は低侵襲性で,有用な術式であると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2004