肺癌の集学的治療2008年
肺癌における分子標的治療成績と個別化治療への展開
杉尾 賢二
1
,
浦本 秀隆
,
竹之山 光広
,
花桐 武志
,
安元 公正
1産業医科大学 呼吸器・胸部外科
キーワード:
ras遺伝子
,
小細胞癌
,
生存率
,
腺癌
,
変異
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
扁平上皮癌
,
erbB-1遺伝子
,
大細胞癌
,
治療成績
,
DNA配列分析
,
Gefitinib
,
分子標的治療
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Lung Neoplasms
,
Mutation
,
Pneumonectomy
,
Genes, ras
,
Survival Rate
,
Treatment Outcome
,
Sequence Analysis, DNA
,
Carcinoma, Large Cell
,
Carcinoma, Small Cell
,
Genes, erbB-1
,
Molecular Targeted Therapy
,
Gefitinib
pp.37-42
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008133509
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1996~2005年に切除された原発性肺癌のうち、DNA解析が可能であった469症例を対象に上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異の解析結果と、gefitinib治療の試験結果を呈示し、その治療法の問題点と展望ついて検討した。1)EGFR変異は腺癌322例中136例(42.2%)に認められ、その他は大細胞癌と多型癌に各1例を認めるのみであった。2)変異は女性、高分化型、非喫煙者に有意に高く認められ、変異部位はexon19欠失が62例、exon21 L858R点突然変異が75例に認められた。特に女性、非喫煙者ではexon21 L858Rが有意に多かった。3)進行肺癌例と術後再発例37例にgefitinibを投与したところ、うち22例がEGFR変異、15例が野性型であった。また、奏功率、病勢コントロール率ではEGFR変異が野性型群よりも有意に高かった。変異部位別では奏功率、病勢コントロール率ともにexon19欠失の方がexon21 L858Rよりも良好であった。尚、投与開始時を起点とした中間生存期間は、有意に変異例で予後良好であった。部位別ではexon19欠失が予後良好の傾向にあった。
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