発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006128229
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
76歳男.小細胞肺癌の既往があり,経過観察中に胸部異常陰影を指摘され,気管支鏡検査では確定診断は得られなかったが,画像上増大傾向を認め,異時性多発肺癌が疑われた.腫瘍マーカーは正常範囲であり,血液検査には異常はなかった.肺機能検査では閉塞性換気障害を認め,右上肺野のS1に腫瘍を認め,明らかなリンパ節転移や遠隔転移を認めなかった.PETにて腫瘍に一致したFDGの集積を認め,異時性多発肺癌として開胸手術を行った.直径2cm大の結節として腫瘍を認め,肺部分切除に留めた.迅速病理診断では腺癌であったが,病理組織診断では中分化型腺癌で,脈管浸潤や胸膜浸潤を認めなかった.術後合併症はなく,現時点では再発の徴候は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2006