発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004140251
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44歳男.3年前より両側巨大肺嚢胞の経過観察をしていたが,今回,労作性呼吸苦が生じた.入院時Hugh-Jones分類はIV度,胸部X線所見では両上・中肺野に無血管野を,胸部CTでは両側肺野に巨大な肺嚢胞を認め,正常肺組織は下肺野まで圧迫されていた.また,呼吸機能検査では肺活量2.6l,%VC66.3%,1秒量1.47l,1秒率64.5%と肺機能低下を示し,肺血流シンチグラムでは右上肺野,左肺野全体の血流低下を認めた.両側巨大肺嚢胞と診断して二期的手術を計画し,初回手術時は胸腔鏡下に小開胸にて左上・下葉の肺嚢胞を切除・縫縮し,第2回手術時は右聴診三角開胸にて右肺上・中・下葉の肺嚢胞を切除・縫縮した.術後経過は良好で,Hugh-Jones分類はI度,胸部X線,肺血流シンチグラムにて両肺の拡張と肺血流の改善を認め,半年後の呼吸機能では肺活量,1秒量,%VC,1回換気量の改善を認めた
©Nankodo Co., Ltd., 2004